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Posted by ミリタリーブログ at

2013年08月02日

M80"ゾーリャ"64mm対戦車ロケット(一)


ユーゴスラビア製の携帯式対戦車兵器といえばパンツァーファウストの直系子孫たるM57及びM58、仏製89 mm LRAC F1対戦車ロケットの改良版M79オサ、RPG-18の改良版M80ゾーリャ、それにM90ストルシュレンですが、


当ブログの主セルビやんはそのうちの一種類だけ、M80ゾーリャを所有しています。



・・・もちろん発射済の無稼働品ですが(笑)

日本語ウィキペディアにも項目がないので、以下簡単にどんなものか御紹介してみたいと思います。
文章構成はLAW M72ウィキのほぼ丸パクリです。



正式名称:64mm無反動砲M80
愛称:ゾーリャ
開発国:ユーゴスラビア社会主義連邦共和国
開発時期:1980年

かつての製造国:ユーゴスラビア
現在の製造国:セルビア、マケドニア
現在のメーカー:オクトーバー11 ユーロコンポジット(マケドニア)

使用国:
ボスニア・ヘルツェゴビナ
クロアチア
インドネシア
モンテネグロ
セルビア
シンガポール
スロベニア



M80ゾーリャ(Zolja=セルビア・クロアチア語「スズメバチ」)は、1発の成形炸薬弾を、2本の筒を1列につなげた発射器で梱包した構成である。
ソ連製RPG-18やチェコスロバキア製RPG-75同様、米国製LAW M72の影響を受けて開発された対戦車ロケット弾だ。



運搬状態では、ファイバーグラス製の発射器後部は同じくファイバーグラス製の前部発射器の中に収納されている。この状態では、発射器は防水容器の機能を持ち、また弾薬の点火系列は遮断されて安全に運搬できる。



発射器前部には上部に押し込み式のトリガー、折り畳み式の照星と照門、下部に後部ガス噴射口カバーがつく。発射器後部には点火装置が設けられている。

発射手順は以下のとおり。



(一)砲口カバーの口金を外す。ばね仕掛けにより自動的に照星が立ち上がる
(二)後部ガス噴射口の口金を外す
(三)後部を引き伸ばして展開する。このとき同時に照星カバーに押さえ付けられていた照星がばね仕掛けで立ち上がる。また、この時点で正常な装填状態になっていれば後部は引き出し限界位置で固定される。
(四)後部を肩に乗せ射撃姿勢をとる。照門と目との距離は10~15cm離す。
(五)照門後方の安全装置を引き出し解除する。
(六)標的に照準する
(七)照門前方の点火系接続ボタンを押す。これにより初めて発射可能な状態となる
(八)点火系接続ボタンの前方にある発射ボタンを押し、ロケット弾発射!



弾薬は口径64mmの成形炸薬弾で、PIBD信管と弾道を安定させる6枚の翼がある固定弾である。翼は弾底部にあり、ヒンジを介して前方に折り畳まれた状態で装填されている。射入角90度で最大300mmの鋼板を貫通する能力を持つ。自爆機能が備えられており、目標に命中しなかった場合飛行時間4~6秒で爆発する。



照準は、25m毎の目盛がついたプラスチック製照星を照門から覗き込んで行う。トリガーの前にある安全装置を解除し、トリガーを押し込むと弾薬に内蔵されている推進薬が燃焼して約760℃のガスを後方に噴射し、ほぼ無反動で発射される。



後方危険地域は軸線後方の左右30°距離40mの範囲で、発射時にはこの範囲に高温のガスを噴射する。一度射撃した発射器は次弾の再装填はできず廃棄される使い切り式である。



ユーゴ内戦ではユーゴスラビア軍及びユーゴスラビア軍から派生したスルプスカ軍、同じくユーゴスラビア軍から武器供給を受けていたクライナ軍及びその傘下の民兵集団は勿論、スロベニアやクロアチア、ボスニア、コソボ各民族の独立勢力も鹵獲及び購入(※セルビア人側の民兵集団は一部が大規模な武器横流しに携わっていた)優勢な機甲戦力を持つユーゴスラビア軍に対し多数を投入した。



現在でも旧ユーゴ圏やかつての非同盟諸国を中心に使用され続けている。


諸元
口径          64 mm
総重量(弾薬含む) 3.00 kg
重量(弾薬除く)   1.58 kg
弾薬重量       1.42 kg
運搬時全長     860 mm
発射時全長     1200 mm
最大貫通装甲厚  300 mm
最大射程 1280 m
有効射程(移動目標) 250m
有効射程(固定目標) 400m
銃口初速 190m/s


LAW M72に比べるとかなり長くて重いですね。


【民間での使用例】

1999年11月クロアチアでの犯罪組織による使用例(対立するクラン同士の抗争で使用。暗殺目的で発射されるも標的を外れ、無関係の市民1人が犠牲となる)


2003年3月セルビア首相ゾラン・ジンジッチ暗殺事件における使用状況(高速道路で待ち伏せ、首相の車列を狙う計画だったが、実行犯のひとりミレンコヴィチがトラックで車列を停止させる当初の手順を果たせなかったため失敗 ☓)

その他イタリアを中心にヨーロッパ各地で犯罪組織の密輸品が摘発されており、紛争地でもおそらく使用されているものと思われます。

ソースがインターネットの引用ばかりで雑な内容となってしまいました。
いずれユーゴ軍教範の該当項目を翻訳するなどした上で、ユーゴ内戦中の使用例動画や写真資料をもっと数多く集めて再度発表できたらいいなと思っております。

蛇足ですが、2本あっても仕方ないなということで1本はヤフオクに出品中です。
ご興味ありましたら、是非そちらも御覧下さい。


↑ 落札されました。御覧頂いた皆様、ありがとうございました。


おまけ:ボスニアのランボーネジャド・クリチッチさん



そのスネーク邪魔じゃないですかクリチッチさん。
M80ゾーリャ発射シーンは2:16あたりです