2015年05月06日

セルビア軍装基本のキ!(十一)VRSの個人装備



VRSの兵士たちが身につけていた個人装備は一般に製造元も素材もばらばらで、非常に雑多な上多くの場合かなり凝った個人改造が施されていました。

leather

1992年内戦勃発時には人民軍の残置した旧式の革製ウェブベルトと各種ポーチから成る革製装備が主体でしたが、1995年終戦までにはナイロン製へと更新されてゆきました。



時には米国製のALICEベルトが使用されることもあったようです。



将校達は好んでユーゴ時代と同様のサムブラウンベルトを巻いていました。
もっとも、画像のように邪魔な斜革は付けずに済ます場合も多かったようです。



当初はこれらベルトとサスペンダー、各種ポーチを組み合わせたサスペンダーキットが主流でしたが、戦争が長引くにしたがってアサルトベストやチェストリグなどより実戦的な装備へと更新されてゆきます。

overall

とにかくさまざまな職人や工場がてんで勝手に装備を製作していたため、これらの戦時製造個人装具は殆ど品質管理そのものが存在しない粗悪品から素晴らしく現代的且つ頑丈なタクティカルギアまで、まさに玉石混淆といった有り様でしたが、その中でも代表的なのが「アルカンタイガーベスト」として知られるM91タクティカルベストです。



実際にはセルビア義勇親衛隊(=アルカンの虎)だけでなくVRS全軍に広く普及している装備品でした。
当時最新のトレンドを十分に取り入れた現代的なベストで、後にはコソヴォ紛争でも連邦軍やセルビア警察特殊部隊、民兵などによる着用例があります。



内戦初期に一般的だったのは、M77ハーフコート改造アサルトベストです。



このベストはスルプスカ共和国軍の創意ではなく、古くはクロアチア内戦初期最大の激戦、1991年のヴコヴァル包囲戦でユーゴスラヴィア人民軍により近似の改造品着用例が確認されています。

Balkan Wars Living History Group著
セルビやんこと林鳥巣訳




■ちなみに

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この記事へのコメント
はじめまして
東欧装備でサバゲーしているものです主にロシア軍ですが、最近セルビア・スルプスカ軍に興味を持ち始めました。
アルカンタイガーベストいいですね、スルプスカ軍の制式装備といってもいいほど使用されてますね自分も欲しいのですが、なかなか手に入りにくいのが難点です。
これからも興味深い記事の投稿をお願いします。
Posted by Dragan at 2015年05月17日 20:57
はじめまして、コメントありがとうございます。
気がつくのが遅れてすみません。

アルカンタイガーベストかっこいいですよね!
私もそのうちまた買い直そうと思ってるので、近いうちに取り寄せておこうと思います。
余分はヤフオクに放出しますので、こちらのオークションリストをチェックしてみてください。

http://sellinglist.auctions.yahoo.co.jp/user/redafgan
Posted by セルビやんセルビやん at 2015年06月14日 00:42
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