2015年05月03日

セルビア軍装基本のキ!(一) ~ボスニア紛争92-95~

koridor



■前文

地球上にかつて数多巻き起こった内戦のご多分に漏れず、ユーゴスラヴィア崩壊後の破壊的な局面にあっては正確には把握できないほど多様な軍服と個人装備が混用されました。

僅か20数年前の出来事であるにも関わらず、ユーゴ紛争における英語ベースの軍装知識は常に不完全なものにとどまり、戦場を写した記録映像も不鮮明で、世界中の軍装マニアの大半は一体何が何であるのか明確に知ることのできないまま今日に至ります。
ユーゴスラヴィアにおける軍服・個人装備は西側とも東側とも異なる特徴を持ち、或いはどちらの特徴をも兼ね備えた独特のものです。

この章に於いては、スルプスカ共和国軍(以後VRSと表記する)将兵の間で広く使用されていた軍服と装備の代表例を紹介し、彼らがそうした軍装品をどのように組み合わせて着装していたのかについて読者の皆さんにわかりやすく説明していきたいと思います。

尚本ブログは様々な民族と政治の対立が巻き起こした地域紛争を言及の対象とはしていますが、政治的な動機には基づかず、あくまで純粋にユーゴスラヴィア内戦の軍装についての学習を目的とします。



■目次

前文

1.VRSの軍服

2.M89オークリーフ迷彩

3.セルビアタイガー/リザード迷彩

4.USウッドランド迷彩

5.MOL「枝」迷彩

6.セルビアDPM迷彩

7.ブタン迷彩

8.M58「山岳」迷彩

9.ユーゴスラヴィア人民軍各種軍服

10.パルカと冬服

11.VRSの個人装備

12.VRSの個人携行火器

奥付

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JNA


1.VRSの軍服

ボスニア・ヘルツェゴヴィナのセルビア人勢力、すなわちスルプスカ共和国(VRS = Vojska Republike Srpske)の軍装品の多くは、もともと1992年ユーゴスラヴィア人民軍が撤退する際、スルプスカ共和国軍が残置していったものを細々とした家内制手工業で、あるいは本格的な縫製工場で小改造を施したものです。



勿論、彼らの身に付けていた軍装品が全て社会主義時代のユーゴに由来するものだったわけではありません。例えばクニンなどで製造されたソ連製TTsKO迷彩(※=ブタン迷彩)のコピー品やアサルトベスト、戦闘ツナギ、ジャケットなどはユーゴスラヴィアにおけるそれまでの軍装品の歴史とは殆ど関わりのない、内戦の所産といえるでしょう。

(二)に続きます。






Balkan Wars Living History Group著
セルビやん編訳


■ちなみに

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