2015年05月05日
セルビア軍装基本のキ!(九)単色野戦服

スルプスカ共和国軍においてユーゴスラヴィア人民軍の軍服が広く普及していた事は、このエントリーを御覧の方であれば誰もが知る事実でしょう。

1992年ボスニア撤退時、人民軍はスルプスカ共和国の友人達のためセルビアに引き上げたのよりも遥かに多くの装備を残していきました。
最も一般的であったのがシャツとズボン(※=人民軍の軍服規定における夏季軍装の基本構成要素)で、次いでパルカやジャケットが一般的でした。

初期には重く分厚い1950年代のウール野戦服やオーバーコートも見られましたが、これらは予備役から成るユーゴスラヴィア地域防衛隊軍事部門出身の兵士達が着用していたものです。

一般的に言ってこうしたユーゴスラヴィア人民軍の各種旧式軍装品は、例えそれが1940年代のものであろうが冷戦末期のものであろうが、どのボスニア・リエナクメントでも必ず登場するべき必須の要素であり、スルプスカ共和国軍及びボスニア・ヘルツェゴヴィナ共和国軍の軍装を再現する際にはたいへん有用なアイテムであると言ってよいでしょう。

ただしスルプスカ共和国軍は(※当時の西側メディアが彼らを人民軍/連邦軍と混同しようがしまいが)明確に民族主義の立場を取っていたことを忘れてはなりません。多くのスルプスカ軍人は、セルビアの友人たちが残していった軍装品から赤い星その他かつて親しんだ社会主義のシンボルをそっくり除去してしまいました。
Balkan Wars Living History Group著
セルビやんこと林鳥巣訳
(※映像や写真で見る限り、砲兵の場合は戦争末期になっても迷彩服ではなく単色の野戦服を継続使用する割合が高かったように思われます)
■ちなみに
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