2015年05月05日
セルビア軍装基本のキ!(十)パルカと冬服
夏でも平均気温20度前後、冬は氷点下の寒さとなるボスニア・ヘルツェゴヴィナ。

戦場の厳しい寒さを凌ぐため、ボスニア内戦の兵士たちは実に多用な種類のパルカ(ハーフコート)を着用しました。

最も一般的だったのはM77ハーフコートです。

脱着可能なキルティングライナーとフードを備えた冷戦後期型の冬服で、内戦勃発前からユーゴスラヴィア人民軍の制式装備としてユーゴ全土に広く普及していました。

将校は多くの場合より新型で軽く温かく迷彩柄のM89オークリーフ迷彩ハーフコートを着用していました。

M89裁断のハーフコートはのちにリザード迷彩のタイプも製造されるようになり、防寒服としては最も好まれる選択肢となってゆきます。

重厚なM55ウールコートとその派生型も極めて一般的だった為、迷彩柄ばかりの中でよりクラシックな出で立ちを誇りたいリエナクターにはおすすめです。

冬物を選ぶ際に注意すべきは、ジャケット同様M89ハーフコートとM93ハーフコートは全く別物であるという点でしょう。
M89ハーフコートには、M93のような胸ポケットはありません。

内戦の全期間を通じて、兵士たちは様々に工夫を凝らして重ね着をしました。

セーターやフリースなど、手に入るものなら軍用でも凝った装飾の民生品でも何でもです。
既存の戦闘服にファーやフリース、キルティングのライナーを取り付ける改造も広く行われていました。
Balkan Wars Living History GroupY著
セルビやんこと林鳥巣訳
■ちなみに
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